歯周病とはどんな病気? 歯肉炎との違いや症状について新伊丹駅の歯科医が解説
- 2023年1月20日
- 歯周病
こんにちは。新伊丹駅の歯医者、伊丹とく歯科院長の徳田です。
かつては「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていた歯周病は、むし歯と並ぶ歯科2大疾患のひとつです。歯を失う原因で最も多くの割合を占め、55歳以上になるとその半数近くを歯周病が占めるようになります。
ここでは歯周病とはどのような病気で、進行するとどんな症状があらわれるかをご紹介していきましょう。
歯周病はどんな病気?
むし歯が歯に生じる病気であるとすれば、歯周病はその歯を支える周りの組織に生じる病気といえます。
私たちの歯はその周りを「歯ぐき(歯肉)」「セメント質」「歯根膜」「歯槽骨」の4つの組織によって支えられており、これらを総称して歯周組織と呼んでいます。
歯周病は細菌の感染によって生じる炎症性疾患で、炎症の広がりによってこれらの歯周組織を徐々に壊していく病気です。
病状が進むにつれ歯槽骨が破壊されると歯の動揺(ゆれ)が大きくなり、最後には抜け落ちてしまいます。
歯周病の原因
歯周病の発症には「歯周病原性菌」という歯周病を引き起こす細菌が深く関わっています。
ただ、発症に至るには生活習慣や食生活、年齢、遺伝など他の要因も複数関与することから、歯周病はこれらの要因が重なって発症する「多因子疾患」と考えらえています。
歯周病で問題になること
歯周病が進行すると食べ物が噛めなくなるほか、痛みや腫れに悩まされたり口臭が強くなったりと、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
さらに近年は、歯周病の発症や進行心臓病や脳卒中、糖尿病など全身の病気の発症や悪化に関わることも明らかになっています。
歯周病の種類と進行について
歯周病と歯肉炎の違い
歯ぐきに生じる病気では、歯周病にくわえ「歯肉炎」という病名もよく耳にします。
両者の違いですが、歯肉炎とは歯周病の初期に起こる病態のことです。歯周病はまず「歯肉炎」からはじまり、そこから「歯周炎」に発展して歯根膜や歯槽骨を破壊していきます。
歯周病の進行
【歯肉炎】
歯周病では、はじめに細菌の感染によって歯ぐきに炎症が起こる「歯肉炎」を発症します。歯肉炎の炎症は歯ぐきに限局していますが、この状態を放置すると次の「歯周炎」へと進行していきます。
【歯周炎】
歯肉炎が進行すると、歯ぐきの内側まで炎症が広がる「歯周炎」を発症します。歯周炎になると歯と歯ぐきの境目から少しずつ組織が破壊され、そのすき間に「歯周ポケット」という深い溝が形成されます。
①軽度歯周炎
歯ぐきの炎症が歯根の先に向かって広がり、その奥の歯根膜や歯槽骨を徐々に破壊していきます。
②中等度歯周炎
炎症がさらに歯根に向かって広がり、歯槽骨が歯根の長さの半分近くまで破壊されます。歯周ポケットも4mm以上と深くなり、指で触ると歯のぐらつきを感じます。
③重度歯周炎
炎症の波及により歯槽骨が歯根の長さの半分以上破壊されます。歯周ポケットは6mm以上と深く、舌で触れても歯がぐらつきを感じます。
歯周病の症状について
歯周病のセルフチェック
以下に歯周病の代表的な症状を列記しますので、まずはご自身のお口の状態をチェックしてみましょう。
- □朝、起きた時に口の中がネバネバする
- □歯ぐきがむずがゆい
- □歯ぐきが赤い
- □歯ぐきが丸みを帯びてブヨブヨしている
- □歯を磨くと歯ぐきから出血する
- □歯ぐきが時々腫れる
- □歯ぐきがやせて、歯と歯の間にものがつまりやすい
- □硬いものが噛みにくい
- □口臭が気になる
- □歯ぐきから膿がでる
- □舌で触ると歯がグラグラする
歯周病の進行による症状の変化
先に挙げた歯周病のセルフチェックは、上から順に進行ごとの症状を記しています。
歯周病の初期にあたる「歯肉炎」は歯ぐきの赤みや違和感、出血などが代表的な症状ですが、いずれも軽微で症状に気づかず進行してしまうケースも少なくありません。歯周病が怖いのは自覚症状に乏しく、病状がある程度進行するまで病気の存在に気づかない点です。
「噛みにくい」「口臭が気になる」など日常生活に支障をきたす症状があらわれる頃になると、治療をしても再発を繰り返す、あるいは完治が難しくなるケースも多くなります。
1つでも気になる症状がある方は、新伊丹駅の伊丹とく歯科へお気軽にご相談ください。