保険の入れ歯がうまくいく人・いかない人──難症例化する時代の現実(後編)|伊丹とく歯科|伊丹市で“丁寧すぎる”歯科治療。精密な技術と審美の追求

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医療コラム

保険の入れ歯がうまくいく人・いかない人──難症例化する時代の現実(後編)|伊丹とく歯科|伊丹市で“丁寧すぎる”歯科治療。精密な技術と審美の追求

保険の入れ歯がうまくいく人・いかない人──難症例化する時代の現実(後編)

前編では、保険診療の「時間」「技術」「報酬」という3つの構造的な問題が、良い入れ歯づくりを難しくしていることをお伝えしました。

では、保険の入れ歯では絶対に満足できないのでしょうか?そんなことはありません。

今回は、「保険の入れ歯でも満足できる人の条件」と、なぜ近年、「理想的な入れ歯づくりが難しくなっているのか」について、さらに深く掘り下げていきましょう。

 

 

保険の入れ歯でも「うまくいく人」の条件

以下の3つの条件が重なっている方は、保険の入れ歯でも比較的高い満足度を得られる傾向にあります。

 

1. 口腔内の条件が比較的良い

入れ歯の土台となる顎堤(歯ぐきの土台)が痩せておらず、適度な厚みと安定した粘膜がある方は、保険の入れ歯でも成功しやすい傾向にあります。

これは、歯の欠損範囲が小さく、支えになる歯が健全に残っている方も同様です。

 

土台がしっかりしていることが鍵

顎堤(歯ぐきの土台)がしっかりしていると、入れ歯が安定しやすく、痛みも出にくくなります。

逆に、土台が痩せて平らになっていると、入れ歯が動きやすくなり、摩擦で痛みが出やすくなります。

これは、どんなに優れた技術を使っても、土台がしっかりしていないと良い家が建たないのと同じ原理です。

 

 

2. 噛み合わせがシンプル

噛み合わせがシンプルで整っている方も、保険の入れ歯で成功しやすい傾向にあります。

これは、残っている歯の噛み合わせや位置関係が整い、左右の噛み合わせのズレや、すれ違い咬合が少ないケースです。

 

複雑な噛み合わせには精密な設計が必須

 

長年にわたる噛み癖や、歯の欠損によって噛み合わせ全体がズレてしまっている場合、単に入れ歯を作るだけでは対応できません。

お口全体の噛み合わせを根本から設計し直す必要がありますが、これは保険診療の範囲では非常に困難な作業です。

複雑な症例ほど、時間と手間をかけた精密な設計が不可欠となります。

 

 

3. 適応力が高い

新しい入れ歯に慣れようと、前向きに取り組める方も成功しやすいです。

 

異物感はつきもの

どんなに精密に作られた入れ歯でも、お口に装着した瞬間は異物感を覚えるものです。

この違和感を乗り越え、噛み方や話し方を少しずつ慣らしていく「適応力」が、最終的な満足度を大きく左右します。

歯科医師の指示通りに装着時間や練習を継続できる方は、新しい入れ歯にもスムーズに馴染んでいきます。

 

 

近年、「難症例」が増えている現実

「私の口は条件が良いのか?」とご不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし、近年の傾向として、入れ歯治療の「難易度」そのものが上がっているのが現実です。

 

1. 人生100年時代、入れ歯の「長期使用」が前提に

昔と比べて寿命が延び、入れ歯を長期間にわたって使う方が増えました。

それに伴い、単に「噛める」だけでなく、長期的な快適性、耐久性、そして審美性が求められます。

しかし、口腔内は常に変化します。痩せていく顎の骨、磨耗する人工歯…これらの変化に柔軟に対応できる精密な作り込みが、最初から必要になります。

 

2. 「歯をできるだけ残す」治療の普及

これは素晴らしいことですが、結果として、入れ歯を装着する段階では、すでに顎の骨が痩せていたり、噛み合わせが複雑になっていたりするケースが増えています

部分入れ歯であっても、実態は「お口全体の噛み合わせを設計し直す」という、非常に難易度の高い作業が必要になるケースが増加しているのです。

 

3. 難症例は“特別なケース”ではなく、“普通”になった

上記のような理由から、もはや難症例は「一部の特殊な患者さん」ではなく、「大多数の患者さん」になりつつあります。

低報酬・短時間での対応が前提の保険診療では、こうした現代のニーズに対応しきれないのが現実なのです。

 

 

自費診療は「高級な材料」のためだけではない

「自費の入れ歯は高い」というイメージがあるかもしれません。しかし、その本質は、単に「高価な材料」を使うことだけではありません。

その真の価値は、「十分な時間と熟練の技術を投入できる製作体制」にあります。

自費の入れ歯治療では、以下のようなプロセスが可能になります。

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徹底した診査・診断

顎の骨や筋肉の状態を、CTや精密模型で詳細に分析

 

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時間をかけた精密な型取り

患者さんの口腔内の動きを再現しながら、

オーダーメイドの型取り
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熟練技工士との連携

時間を惜しまず、技工士と密に連携を取りながら
最適な形を追求
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納得がいくまで調整

装着後も、患者さんが「もう大丈夫」と感じるまで、
何回でも丁寧に調整を繰り返す
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結果として、自費の入れ歯は快適性、耐久性、審美性のバランスが良く、長期的な再作製や通院コストまで含めると、最終的に合理的な選択になることが多いのです。

 

 

まとめ:迷ったら、まずはご相談ください

とく歯科の外観

保険で「良い入れ歯」が手に入ることはゼロではありません。しかし、誰にでも、いつでも、安定して提供することは非常に難しいのが現実です。特に今は、多くの患者さんが難症例に分類される時代です。

「本当に快適で長持ちする入れ歯」を目指すなら、時間と技術に投資できる自費設計も選択肢に入るのではないでしょうか。

ご自身の顎の条件や噛み合わせ、生活習慣によって、到達可能なゴールは変わります。「自分はうまくいくのだろうか?」とご不安に感じたら、まずは現在のお口の条件を診査して、どのような入れ歯が作れるのか、現実的なゴールを一緒に設計させてください。

 

 

ページ監修医師

  徳田進之介

院長 徳田進之介

兵庫県伊丹市・新伊丹駅から徒歩3分の「伊丹とく歯科」院長。

患者様一人ひとりに寄り添い、納得いただけるまで丁寧に説明し、高品質な治療を提供することを大切にしています。

特に 「しっかり噛める」「長く快適に使える」 義歯治療や、見た目の美しさと機能を両立した審美歯科 に力を入れています。既製品では満足できない方、ワンランク上の精密な治療を求める方に、最適な選択肢をご提案いたします。

「本当に自分に合う治療を受けたい」

そんな方のための歯科医院を目指しています。

医院情報

とく歯科の外観
伊丹とく歯科
兵庫県伊丹市平松4丁目3-12
050-3146-4274
https://toku-shika.com/