衝撃!むし歯だけじゃない?現代人を蝕む「砂糖」の本当の顔
こんにちは!伊丹とく歯科 院長の徳田進之介です。 前回(第1部)では、むし歯の原因や予防の基本についてお話ししました。
むし歯の原因として「砂糖」が大きく関わっていることは多くの方がご存知かと思います。
しかし、実は砂糖の「怖い話」は、むし歯だけにとどまらないのです。
今回の第2部では、皆さんの心と体、特に「精神面」にまで影響を及ぼす、砂糖の隠された本当の顔に迫りたいと思います。
もしかしたら、あなたが感じているその不調、甘いものが原因かもしれませんよ?
Contents
砂糖はむし歯だけじゃない!知っておくべき「怖い話」
甘いものの誘惑って、本当に多いですよね。ちょっとしたご褒美やリラックスしたい時、ついつい手が伸びてしまうお菓子やジュース。お子さんのおやつも、甘いものが定番かもしれません。
もちろん、砂糖がむし歯の大きな原因であることは間違いありません。お口の中の細菌が砂糖を利用して酸を作り、それが歯を溶かしてしまうのですから。
しかし! 砂糖の過剰摂取が引き起こす問題は、むし歯だけではないんです。
・体重増加
・血糖値の乱高下
・糖尿病のリスク
そして、意外かもしれませんが、「キレやすさ」といった精神的な不安定さにも、砂糖が深く関わっている可能性があるのです。まさか、あの甘くて美味しい砂糖が、私たちの心と体にそんな影響を与えているなんて、信じられないかもしれませんね。
なぜ?甘いものに隠された「中毒性」の正体
疲れた時やストレスを感じた時、無性に甘いものが欲しくなる経験はありませんか?そして、一度食べ始めると、なかなか止められないことも…。
タバコやアルコールに中毒性があることはよく知られていますが、実は砂糖にも中毒性があると言われています。重症化すると、砂糖依存症という状態になることもあるのです。
この背景には、血糖値の急激な変化と、脳内物質の働きが関係しています。
低血糖になると、脳はエネルギー不足を感じ、「甘いものを食べて!」と指令を出します。そして、甘いものを食べると血糖値が再び上がり、一時的にホッとする。この繰り返しが、甘いものへの欲求を増幅させます。
砂糖を摂取すると、脳内でセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは、気分を安定させたり、幸福感をもたらしたりする大切なホルモン。甘いものを食べることで一時的に得られるこの快感が、砂糖への依存につながってしまうのです。
もし、「甘いものがないと落ち着かない」「食べないとイライラする」と感じることがあれば、それは砂糖依存のサインかもしれません。
血糖値の乱高下が招く「イライラ」と「キレやすさ」
砂糖の摂りすぎによる血糖値の急激な上昇と下降は、私たちの心身に様々な影響を与えます。
特に、この血糖値の乱高下は、「イライラ」や「キレやすさ」と深く結びついていると考えられています。
血糖値が急激に下がると、脳はエネルギー不足でパニック状態に。その結果、
- ・不安感
- ・集中力の低下
- ・イライラ
- ・キレやすさ
といった精神的な不安定さが現れることがあるのです。まるで、血糖値がジェットコースターのように上下するたびに、心も振り回されてしまうようなイメージです。
特に、お子さんの場合は注意が必要です。
- ・体が小さく、糖分の許容量が少ない
- ・血糖値をコントロールする内臓機能がまだ十分に発達していない
これらの理由から、血糖値が大きく変動しやすいのです。
「さっきまでニコニコしていたのに、甘いものを食べた途端に落ち着きがなくなったり、些細なことで癇癪を起こしたり…」
こんな経験はありませんか?それは、まさに血糖値の乱高下が原因かもしれません。
そして、怖いのは、低血糖による不快な感情を解消するために、また甘いものを求めてしまう悪循環です。
甘いものを食べる → 血糖値急上昇 → 急降下(低血糖)→ イライラ → また甘いものを食べる…
この負の連鎖から抜け出すのは、なかなか大変です。
知っておきたい砂糖の「真実」
一口に「砂糖」と言っても、いくつかの種類があります。
- ・ブドウ糖(グルコース): 体の主要なエネルギー源。吸収が早く、血糖値を直接上げます。
- ・果糖(フルクトース): 甘味は強いですが、ブドウ糖ほど直接的には血糖値を上げません。しかし、肝臓で代謝されやすく、摂りすぎると中性脂肪になりやすいと言われています。清涼飲料水などに多い高果糖コーンシロップは要注意です。
- ・ショ糖(スクロース): いわゆる砂糖。消化されるとブドウ糖と果糖に分解されます。
特に、液体状の甘いものは吸収が早く、血糖値を急激に上げやすい(血糖値スパイク)。野菜ジュースや果物ジュースも、「100%」と表示されていても、丸ごとの果物を食べるのとは吸収スピードが違うことを覚えておきましょう。
血糖値スパイクが頻繁に起こると、血管が傷ついたり、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかったりします。これは、糖尿病のリスクを高めるだけでなく、長期的には心臓病や脳卒中といった重大な病気につながる可能性もあるのです。
さらに、砂糖はセロトニンだけでなく、ドーパミンという快楽物質を分泌させます。このドーパミンの作用も、砂糖への依存を強める要因の一つです。
例えば、500mlの清涼飲料水には、角砂糖10個以上もの砂糖が含まれていることがあります。小さなお子さんなら、たった1本のジュースで、1日に推奨される糖分摂取量を簡単にオーバーしてしまうのです。
砂糖依存から抜け出すための「ヒント」
もし、ご自身やお子さんが砂糖依存かもしれないと感じたら、焦らずに少しずつ砂糖との付き合い方を見直してみましょう。
- ・甘い飲み物を水やお茶に:特にジュース類は吸収が早く、血糖値を急上昇させやすいので控えましょう。
- ・食べる順番を意識:食事の最初に野菜や海藻類などの食物繊維を摂ると、糖の吸収が穏やかになります。
- ・ヘルシーな代替品:甘いものが欲しくなったら、少量のフルーツ、無糖ヨーグルト、ナッツ類などを試してみてはいかがでしょうか。
- ・おやつの時間と量を決める:特に子供のおやつは時間を決め、だらだら食べを避けましょう。食後すぐではなく、少し時間を空けてからにするのがおすすめです。
- ・良質な睡眠と適度な運動:生活習慣を整えることは、血糖値のコントロールにもつながります。
- ・ストレス解消法を見つける:ストレスを甘いもので紛らわすのではなく、運動や趣味など、別の方法で解消する習慣を身につけましょう。
まとめ
砂糖は、むし歯だけでなく、依存性や血糖値の乱高下を通じて、私たちの心と体に大きな影響を与える可能性があることをご理解いただけたでしょうか。特に成長期のお子さんにとって、血糖値の不安定さは、落ち着きのなさやイライラの原因になることもあります。
砂糖との賢い付き合い方を身につけることは、むし歯予防だけでなく、ご家族皆様の心身の健康を守るために、とても大切なことです。
もし、お子さんの歯やお口の健康、あるいは甘いものとの付き合い方について、少しでも不安や疑問があれば、どうぞお気軽に伊丹とく歯科にご相談ください。お子さんがリラックスして過ごせるキッズスペースもご用意しています。
お口の専門家として、歯のことだけでなく、全身の健康も考えたアドバイスをさせていただきます。
ページ監修医師
徳田進之介
兵庫県伊丹市・新伊丹駅から徒歩3分の「伊丹とく歯科」院長。
患者様一人ひとりに寄り添い、納得いただけるまで丁寧に説明し、高品質な治療を提供することを大切にしています。
特に 「しっかり噛める」「長く快適に使える」 義歯治療や、見た目の美しさと機能を両立した審美歯科 に力を入れています。既製品では満足できない方、ワンランク上の精密な治療を求める方に、最適な選択肢をご提案いたします。
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