【歯周病のメインテナンス】歯周治療後も定期的な通院が必要な理由|伊丹市伊丹とく歯科
こんにちは。伊丹市の歯医者、伊丹とく歯科院長の徳田です。
前回に引き続き、歯科の定期メインテナンスについてお話しします。
★前回の医療コラムはこちら↓
今回のテーマは「歯周病治療後のメインテナンス」です。
歯周病は治療をしても完治しない?
治療後メインテナンスの重要性
歯周病が治らない・再発しやすい理由
※グラフ引用:第2回永久歯の抜歯原因調査報告書 公益財団法人8020推進財団
歯周病は歯を失う原因で最も多くの割合を占め、とくに50代以降で歯を失う人の半数以上は歯周病が原因で抜歯に至ります。これは、歯周病が症状に乏しく発見が遅れやすいことにくわえ、治療をしても治りにくい、あるいは再発を繰り返しやすいためです。
歯周病の直接的な原因である歯周病菌はお口の中に常に存在する「常在菌」の一種で、治療をしても菌数をゼロにすることができません。したがって、適切な治療を行ってもしばらくすると口内に残った細菌が増殖し、病状の悪化や再発を繰り返してしまいます。
★歯周病をさらに詳しく知りたかたはこちら↓
歯周病は「治す」のではなく「管理する」病気
※グラフ引用:歯周治療の効果はメインテナンスによって決まる NPO法人日本臨床歯周病学会
歯周病治療を受けると、腫れや出血、痛みといった症状は治まります。しかし、これは歯周病が「治った」のではなく、治療によって菌数が減少したことで一時的に小康状態を保っているに過ぎません。
歯周病で歯を失わないためには、この小康状態を維持し、歯周病の悪化や再発を防ぐことが重要になります。
そのような意味において、歯周病は治療で「治す」病気ではなく、一度なったらそれ以上悪くならないように「管理する」病気といえます。
この管理が「治療後のメインテナンス(定期検診)」にあたるわけです。
歯周病治療後のメインテナンスの効果
※グラフ引用:メインテナンス e-ヘルスネット 厚生労働省
では実際に、歯周病の治療後にメインテナンスを受けるとどのぐらいの効果があるのか、上記のグラフで見ていきましょう。
このグラフは歯周病で「治療しなかった人」「治療のみの人」「治療を受けてその後メインテナンスもした人」が5年間のうちに失った歯の本数を比較したものです。
グラフを見てわかるように、歯周病で治療をしなかった人は1人につき5年間で1.8本、治療のみの人でも1.1本の歯を失っています。しかし、歯周治療を行い、治療後もメインテナンスを継続した人は5年間で0.5本しか歯を失っていません。
このほかにも、歯周治療後のメインテナンスが以後の再発を防ぎ、歯の温存に大きく貢献することを示すデータは数多く存在しています。
以上のように、歯周病は治療をしたら「それで終わり」ではなく、治療の終了は次のステップである「メインテナンス」のスタートであることをしっかり理解しておきましょう。
伊丹市伊丹とく歯科の
歯周治療後のメインテナンス
伊丹市伊丹とく歯科では歯周治療が終了した患者さん向けに、3か月に1回を目安に(歯周病の状況に応じて変動あり)メインテナンスを実施しています。
歯周治療後のメインテナンスの内容
- ①現在のお口の状況やセルフケアの様子を聞き取り(問診)
- ②歯周病検査(前回の検査値との比較・リスク部位のチェックなど)
- ③ブラッシングの確認(セルフケアのアドバイス)
- ④プロフェッショナルケア(クリーニング)
歯周病の病原菌は、歯と歯ぐきの境目や「歯周ポケット」と呼ばれる溝のなかに生息しています。一方で、このような狭いすき間や溝の中は歯ブラシの毛先が届きにくく、細菌が停滞してしまうのも歯周病が再発しやすい要因の1つです。
歯周病の定期メインテナンスでは、このようなセルフケアが難しい部位の汚れを専門的なクリーニングで徹底的に除去し、歯周病の再発を抑えていきます。
セルフケアの質を高める
伊丹市伊丹とく歯科の定期メインテナンスは、ご家庭でのセルフケアの質をさらに高めることに重点を置いています。
患者さんの歯周病の状態に応じた「歯磨き剤」「洗口剤」の選び方や使い方もアドバイスしていますので、お気軽にお尋ねください。
歯周病に負けない! 定期メインテナンスで自分の歯を一生モノに
知らず知らずのうちに進行して大切な歯を奪ってしまう歯周病は、「かからないこと(予防)」が何より重要です。
それでももし、かかってしまった場合は「治療で治す」ではなく「生涯を通じてうまく付き合っていく」という考え方が、大切な歯を守る大きなカギになります。
治療後もセルフケアと定期メインテナンスを継続し、自分の歯を守りぬきましょう。
★伊丹市伊丹とく歯科の「予防歯科」を詳しく知りたい方はこちらをチェック↓