新しい入れ歯の選択肢『デジタルデンチャー』とは?
こんにちは。伊丹とく歯科院長の徳田です。
この度、伊丹とく歯科では入れ歯の新たな選択肢として「デジタルデンチャー」を導入いたしました。デジタル技術を駆使したこの入れ歯は、まだ導入している歯科医院も少ないため、おそらく初めてその名前を耳にする方も多いでしょう。
そこで、本コラムでは3回に渡って「デジタルデンチャー」について特集したいと思います。
第1回目となる今回は、デジタルデンチャーとはどのような入れ歯なのか、患者さんにとってのメリットや、どんな方におすすめかなどご紹介していきましょう。
デジタルデンチャーとは?
デジタルデンチャーは、これまでの手作業中心の入れ歯作製法に代わり、デジタル技術を駆使して設計・作製される新しい入れ歯です。
従来の方法では、歯型から模型を作る段階から手作業が中心でしたが、デジタルデンチャーではスキャナーで得たデータをもとに、コンピュータが正確に設計と作製を行います。例えるなら、スマートフォンで撮影した写真をデジタルデータとして保存し、必要な時にいつでも取り出して加工できるのと同じような仕組みです。
患者さんの口腔内の状態をデジタルデータとして保存し、そのデータをもとに高精度な機械で入れ歯を作製します。これにより、短期間で高品質な入れ歯を作ることが可能になりました。デジタルデンチャーはまさに「新しい時代の入れ歯」といえるでしょう。
デジタルデンチャーがもたらす4つのメリット
従来の入れ歯と作製方法がまったく異なるデジタルデンチャーには、次の4つのメリットがあります。
- ①治療期間を大幅に短縮
- ②完成前に使用感を確認できる
- ③再製や修理が簡単
- ④精度の高い仕上がり
以下に、それぞれのメリットを詳しくご紹介します。
メリット①:治療期間を大幅に短縮
デジタルデンチャーの最大の特徴は、治療期間の短縮です。
従来の方法では、採取した歯型をもとに石こう模型を作製し、そこから手作業で調整という工程を経るなど、完成までに長い期間を要します。
しかし、デジタル技術を活用することで、精密な入れ歯をよりスピーディーに(最短17日)作製することができます。
メリット②:完成前に実際の生活で試用できる
デジタルデンチャーでは、完成前に「試適用義歯」(完成前に装着して歯並びや噛み合わせを確認する入れ歯)を自宅で使用することができます。
従来の入れ歯の試適用義歯はロウでできているため、院内でしか装着できず、実際の生活での使用感を確認することができません。
しかし、デジタルデンチャーの試適用義歯はご自宅に持ち帰って使用できるため、食事の時の安定感や違和感、痛みなどをチェックすることができます。さらに、ご家族やご友人からも見た目の印象などについて意見を聞くことができるため、より安心して最終的な入れ歯の完成に進むことができます。
メリット③:再製や修理が簡単
デジタルデンチャーは一度作製したデータを保存できるため、万が一入れ歯が壊れた場合やなくしてしまった場合でも、再度型を採り直す必要がありません。保存されたデータをもとに、すぐに修復や作り直しが可能です。これにより、時間も費用も従来より大幅に抑えることができます。
メリット④:精度の高い仕上がり
デジタル技術を活用することで、より精密な設計と製作が可能になりました。これにより、装着感の良い、安定した入れ歯を作製することができます。
デジタルデンチャーは
どんな人に向いている?
デジタルデンチャーは次のような方におすすめです。
今の入れ歯に不満がある方
・「入れ歯が合っていないような気がする」という方
・「もっと自然な見た目の入れ歯が欲しい」という方
・「今の入れ歯は痛くて長時間つけていられない」という方
実際に治療中に試適用の義歯を試して装着感を確かめられるため、「完成した後に違和感が残る」といった心配が少なくなります。「今よりも良い入れ歯を作りたいけど、合わなかったら怖い」という方にも最適な治療法です。
お仕事や家事で忙しい方
・平日は仕事が忙しく、頻繁な通院が難しい方
・通院のための時間調整が大変な方
・できるだけ少ない通院回数で治療を終えたい方
デジタルデンチャーなら、治療期間を大幅に短縮できるため、お忙しい方でもスムーズに治療を進めることができます。
通院に不安のある方
・高齢で何度も通院するのが体力的に心配な方
・足腰に不安があり、通院自体が負担になっている方
・遠方からの通院で、できるだけ回数を減らしたい方
・車の運転ができず、家族に送迎を依頼している方
治療期間が短いため、通院の負担を大幅に減らすことができます。また、急な体調不良などで通院できない場合でも、保存されたデータがあるため、治療の手戻りを最小限に抑えることができます
より良い入れ歯を、手軽に作りたい方
・入れ歯にある程度の予算をかけたいが、高額すぎるのは避けたい方
・良い入れ歯を、なるべく早く作りたい方
・「もし合わなかった時のことを考えると、高額な入れ歯は不安」という方
・将来的に調整や再製作が必要になった時のことまで考えている方
他の自費の入れ歯と比べて費用を抑えられるうえ、短期間で作製できます。また、データが保存されているため、将来的な調整や再製作も比較的容易です。
デジタル技術で変わる
入れ歯治療
デジタルデンチャーは、最新のデジタル技術を活用することで、精度の高い入れ歯を短期間で作製することが可能です。
お仕事や家事で忙しい方、ご高齢の方など、さまざまな状況の方々の負担を大きく軽減します。また、完成前の入れ歯をご自宅で試すことができるため、「せっかく作っても合わなかったらどうしよう」という不安も解消されるでしょう。
次回は、デジタルデンチャーを支える最新技術や、より詳しい治療の流れについてご紹介します。当院でのデジタルデンチャー治療についてご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。